猫が前足で対象をリズミカルに揉みほぐす動作は、英語圏で「ニーディング(Kneading)」、獣医学的には「ミルキング」と呼ばれます。この行動の根底にあるのは、猫のふみふみ 母猫の母乳・授乳期の名残です。生後間もない子猫が母猫の乳房を前足で交互に押し、乳腺を刺激して母乳の出を良くするための先天的な反射行動が、成長後も特定の条件下で再現されています。
多くの猫は、安心しきった状態で喉を「ゴロゴロ」と鳴らしながらこの仕草を行います。猫のふみふみとゴロゴロの意味は、副交感神経が優位になり、脳内でエンドルフィンなどの快楽ホルモンが分泌されている状態を示しています。母猫に守られていた時期の安全な感覚がフラッシュバックし、極度のリラックス状態に浸っているサインと解釈できます。
猫がふみふみする年齢・時期は、生後数週間の子猫期から見られますが、成猫になっても続ける個体には明確な発達背景が存在します。特に生後2か月未満で母猫から早期離乳した猫は、授乳期の充足感が途半端なまま成猫になるため、大人になっても強いふみふみ行動を保持しやすい傾向が行動学の調査で明らかになっています。