玉家を語る上で外せない最大のインパクトが、メディアでも度々特集される「金ピカ社長」こと大橋善吉氏の存在と、店奥に広がる「黄金の部屋」です。
大橋社長は、スーツ・ネクタイ・靴・時計に至るまで全身ゴールドで統一した姿で店頭に立ち、来店客へ笑顔で声をかけ続けます。さらに店内の座敷席には、壁・天井・調度品・襖、果てはトイレの便器や手洗い場に至るまで本物の金箔で覆い尽くされた絢爛豪華な空間が広がっています。
一見すると奇抜な成金趣味のようにも映りますが、過去の特番インタビューや取材記事において社長自身が明かしている動機は極めて明快です。
「商売繁盛の神様であるおちょぼさんに足を運んでくれたお客様に、ご利益と非日常の喜びを五感で持ち帰ってもらいたい」
社会心理学的に分析すれば、金色の視覚刺激は「富・豊穣・幸運」の強烈な象徴(ビジュアル・エンボディメント)として機能しています。参拝客は黄金空間で食事をすることで、稲荷信仰の現世利益を物理的に体感し、「ここに来れば運気が上がる」という強い心理的確信を得る構造が完成しています。