2015年秋の活動休止発表以降、表舞台から距離を置いている山口智史ですが、決して音楽の世界から完全に断絶したわけではありません。2026年現在、彼の主たる活動領域の一つとなっているのが、自身を苦しめた疾患でもある「ミュージシャンのフォーカル・ジストニア」に関する学術研究・啓発活動への協力です。
慶應義塾大学環境情報学部(SFC)の藤井進也研究室をはじめとする神経科学・身体知工学のチームと連携し、プロドラマーとしての高度な運動制御データを提供するなど、同じ病に苦しむ演奏家たちの未来を拓くための研究に寄与してきました。医学的アプローチによるリハビリテーションの知見を広める活動は、当事者であるトッププロにしか果たせない極めて価値の高い貢献と評価されています。
私生活に目を向けると、山口は活動休止前の2009年2月に一般女性との結婚を発表しています。病魔の初期症状に悩み始めた時期から現在に至るまで、妻をはじめとする家族の手厚い精神的・生活面での支えが、長い療養生活の大きな支柱となってきました。子供の有無など詳細なプライベートは公表されていませんが、穏やかな環境の中で心身のバランスを保ちながら日々を過ごしています。
また、RADWIMPSのメンバーとのプライベートな親交は途絶えていません。大規模な全国ツアーやアリーナ公演の現場には関係者として顔を見せ、リハーサルを見守ったり楽屋で談笑する姿が関係者によって度々目撃されています。ステージに立たずとも、精神的な支柱としてチームの内側に存在し続けているのが彼の現在地です。