探偵を開業する前、毛利小五郎は警視庁捜査第一課強行犯捜査三係に所属するバリバリのエリート刑事でした。現場で常に顔を合わせる目暮十三警部は当時の上司にあたり、小五郎にとっては頭の上がらない先輩です。目暮警部からは「小五郎の行くところ必ず死体の山ができる」「迷捜査ばかりで現場を引っ掻き回す」とボヤかれつつも、長年の付き合いから来る絶対的な信頼を寄せられています。
小五郎が警察を辞職した背景には、劇場版第2作『14番目の標的(ターゲット)』などで語られる有名な発砲事件が存在します。逃走を図る凶悪犯が妻の英理を人質に取った際、小五郎はあえて人質の英理の足を正確に撃ち抜いて歩行不能にし、犯人が人質を引きずって逃げられない状態を作って無力化するという超高等戦術を実行しました。
結果として英理の命を救ったものの、警察内部では「人質を危険に晒した暴走」として激しい批判を浴びることになり、小五郎は責任を取る形で自ら辞表を提出しました。この冷徹なまでの判断力と極限状態での決断力こそ、普段の彼からは想像もつかない本物のプロフェッショナルとしての証左です。