デジタル庁の発足や自治体のDX推進に伴い、官民問わず西暦表記への一本化が議論される場面が増えた。しかし、実際の行政手続きの現場では、依然として和暦の記入を求められるケースが根強く残っている。住民票の発行、不動産登記、税金関連の申請など、過去の莫大な公的データベースと紐づいている手続きにおいては、旧元号を含めた管理が欠かせないからだ。
政府が運用するe-Gov電子申請のポータルサイトでも、フォームによっては和暦入力が標準仕様となっている場面がある。システム内部でのデータ処理は西暦で行われつつも、画面のインターフェースや公文書の発行形式には伝統的な元号が併記されるハイブリッド構造だ。手続きの最中に「平成で言うと何年か」を算出する必要が生じるのは、まさにこの過渡期ならではの現象と言える。