ワラビの保存において最も犯しやすい過ちは、「生ワラビのまま野菜室に放置すること」です。生ワラビの保存期間は冷暗所でも2〜3日程度が限界であり、収穫直後から繊維が硬化し、苦味やえぐみ成分が増加します。そのため、保存作業の第一歩は到着・収穫当日のわらびのアク抜きにあります。
ワラビには天然の毒性成分(プタクイロサイド)や強いアクが含まれており、これらは熱とアルカリによって完全に無毒化・溶出されます。伝統的な木灰を使う方法に加え、現代の家庭で最も確実なのが重曹を使った下処理です。
下処理の黄金比率は、ワラビ500gに対して水1.5〜2L、重曹小さじ1(約4〜5g)。沸騰した湯に重曹を投入し、火を止めた直後にワラビを並べ入れ、落とし蓋をしてそのまま常温で一晩(約8〜10時間)じっくり冷まします。沸騰したままグラグラ煮込むと繊維が崩れてドロドロになるため、「熱湯を回しかけて余熱でアクを抜く」工程の徹底が、シャキッとした食感を残す最大の秘訣です。