ネット上の情報空間には、広島出身の有名人を巡るいくつかの誤解や都市伝説が流通しています。メディアの報道検証を通じて、その実情を精査しておきましょう。
代表的な誤解の一つが、プロ野球選手における「広島カープ所属歴」と「広島県出身」の混同です。たとえば、メジャーリーグでも活躍した前田健太は広島カープのエースとして一時代を築いたため広島出身と誤認されがちですが、実際は大阪府忠岡町出身(PL学園高校卒)です。一方で、球界を代表するスラッガーである柳田悠岐(福岡ソフトバンクホークス)は、福岡のイメージが定着しているものの、生粋の広島市安佐南区出身。県立広島商業高校から広島経済大学へと進んだ、純度100%の広島育ちです。実家近くのバッティングセンターで鍛え上げたフルスイングの原点は、完全に広島のアマチュア野球界にあります。
また、巨人で主砲を務めた中田翔も、大阪桐蔭高校の印象が鮮烈ですが、生まれは広島市中区であり、名門リトルシニア「広島鯉城シニア」で全国にその名を轟かせた広島の申し子です。
お笑い界に目を向けると、アンガールズ(田中卓志・山根良顕)のキャリア形成も興味深い視点を提供しています。田中は府中町出身で広島大学工学部建築学科卒、山根は広島市安佐南区出身で広島修道大学法学部卒と、共に県内屈指の難関大学・名門大学の出身です。バラエティ番組では「キモかわ」や情けないキャラクターでブレイクを果たしましたが、現在の田中の的確な番組批評力やMC術、山根の堅実なコメント力の土台には、地方国立大・伝統私大で培われた高い論理的思考力が横たわっています。