庭木の手入れで最も混同されやすいのが、ツツジとサツキ(サツキツツジ)の識別です。両者は同じツツジ科ツツジ属の近縁種ですが、生育サイクルに決定的なズレが存在します。
サツキとツツジの剪定の違いにおける核心は「開花時期の違いによる適期のズレ」です。
ツツジの開花期が4月中旬〜5月上旬であるのに対し、サツキは旧暦の5月(皐月)頃、つまり5月下旬〜6月中旬にかけて開花します。したがって、ツツジの剪定適期が「5月中旬〜6月中旬」であるのに対し、サツキの剪定適期は「6月中旬〜7月上旬」へと後倒しになります。
ネット上の簡易的な園芸情報を鵜呑みにし、「ツツジ類だからすべて5月に切ればよい」あるいは「6月下旬に庭木を一括で丸刈りにした」という作業を行うと、ツツジは花芽を切り落とされ、サツキは開花途中で花ごと刈り取られるという最悪の事態を招きます。葉の大きさが小さく光沢があり、初夏に咲くものがサツキであると現場で正確に見極める観察眼が欠かせません。