スーパーの鮮魚コーナーで「いくら」として陳列されている商品の中には、実は鮭ではなく鱒(マス)の卵を使った「マスコ(鱒子)」が多く混在しています。パッケージを凝視しなければ見落としがちなこの違いには、明確な理由と価格差が潜んでいます。
鮭と鱒の卵の最大の違いは、そのサイズと脂の乗りです。白鮭(秋鮭)の卵が一粒あたり直径約6〜8ミリメートルあるのに対し、カラフトマスやニジマスから採れるマスコは直径約4〜5ミリメートルと小粒です。マスコは皮が鮭卵よりも柔らかく、濃厚で甘みのある脂分を含んでいますが、粒立ちの弾力という点では鮭いくらに軍配が上がります。
食品表示基準法に基づき、商品の一括表示欄には「さけ卵」または「ます卵」と明記することが義務付けられています。しかし、パック表面の目立つポップには大きな文字で「いくら醤油漬け」とだけ印字され、裏面の原材料名を見て初めて「ます卵」と気づくケースも珍しくありません。一般的にマスコは鮭卵に比べて仕入れ相場が20〜30%ほど安価に設定されているため、納得して購入するためにも裏面表示のチェックは欠かせません。