寿司屋で見かけるホッキ貝は鮮やかなピンクや赤色をしていますが、生のホッキ貝の足は灰褐色〜紫黒色をしています。この色を鮮やかに発色させ、同時に独特の生臭さを消して甘みを爆発させるプロの技が「湯通し(湯霜・湯洗い)」です。
ホッキ貝の筋肉に含まれる色素タンパク質は、熱を加えることで変性し、一瞬でルビーのような鮮紅色へと変化します。また、加熱によって甘み成分であるグリコーゲンやアミノ酸の輪郭が際立ち、コリコリとした絶妙な弾力が生まれます。
【赤くする熱湯処理と切り方のコツ】
- 熱湯に潜らせるのは「2〜3秒」:沸騰した熱湯に、下処理を終えた足の身をくぐらせます。全体が鮮やかな赤色に変わった瞬間(約2〜3秒)にすぐ引き上げます。茹ですぎると身が縮んで硬くなってしまうため、短時間が鉄則です。
- すばやく氷水で締める:熱湯から上げたら間髪入れずに氷水へ落とし、余熱を完全に止めます。冷えたらペーパーで水気を拭き取ります。
- 刺身の切り方:赤い表皮を上にしてまな板に置き、斜めに包丁を寝かせてそぎ切りにします。表面に細かく格子状の浅い切れ目(飾り包丁)を入れておくと、醤油の絡みが格段に良くなり、噛み切りやすくなります。