西日本最大の繁華街であり、高層ビル群が立ち並ぶ梅田(大阪市北区)周辺では、痛ましい事故や飛び降り事案が発生した際、その場に居合わせた人々によって直ちに現場の状況が把握される。しかし、地上波のニュースや全国紙がその事実を詳細に報道することは原則としてない。メディアが沈黙を守る最大の真相は、視聴率や売上の追及よりも「二次被害の防止」を最優先とする自主規制が働いているためだ。
ショッキングな出来事をそのままニュースとして流布することは、遺族や居合わせた目撃者のトラウマを増幅させるだけでなく、心理的に追い詰められている人々に対して決定的な引き金を惹かせてしまう危険性を孕んでいる。報道が持つ社会的影響力の大きさを自覚しているからこそ、メディア各社はあえて報じないという選択を行っている。