検索エンジンで「モンキーハウス」と入力すると、不気味な廃墟の画像から海外の洗練された音楽バンド、さらには都内や千葉県松戸市などで親しまれるオーガニックレストランまで、全く異なる情報が入り乱れて表示されます。この多義性が、ネットユーザーの間でさらなる謎や憶測を呼ぶ一因となっています。
文化的な文脈における「モンキー・ハウス」は、アメリカの作家カート・ヴォネガットが1968年に発表した短編集『モンキー・ハウスへようこそ(Welcome to the Monkey House)』に端を発します。カナダの作曲家ドン・ブライトハウプト率いるAORバンド「Monkey House」のバンド名もこの文学作品に由来しており、日本国内でも名門レーベルP-VINEから作品がリリースされるなど音楽ファンの間で高い評価を得ています。また、松戸市などで営業する「モンキーハウス ファーマーズキッチン」のように、地元農家のオーガニック野菜とナチュールワインを提供する明るく温かな飲食店も存在します。
しかし、ネット上で「恐怖の事件」「怪談スポット」として検索ボリュームを集めているのは、これらとは全く文脈の異なる、韓国の米軍基地周辺に実在した隔離施設です。オカルト掲示板や怪談系YouTubeチャンネルでは「人体実験が行われた秘密研究所」「狂気の精神病院」といったセンセーショナルな噂が流布していますが、これらは史実が歪曲されて広まった都市伝説に過ぎません。その実態は、国家主導の性病管理政策によって女性たちが監禁された、極めて生々しい人権侵害の現場でした。