時代は変わり、2019年に日本がIWCを脱退して商業捕鯨を約31年ぶりに再開したことで、鯨肉をめぐる環境は新たな局面を迎えている。2026年現在の学校給食事情を追うと、かつてのような「毎週の安価な定番」としての復活ではないものの、年に1〜2回、地域の食育イベントや伝統行事に合わせた特別メニューとして鯨肉を提供する学校が再び全国で増えつつある。
水産庁による国産水産物の消費拡大支援や食育推進事業の後押しもあり、衛生的に処理された高品質なニタリクジラなどの肉が子どもたちに振る舞われている。令和の児童にとっての鯨肉は、「食糧難を支えた安価なお肉」ではなく、「日本の伝統と命の尊さを学ぶ特別な郷土食材」として再定義されているのだ。