手軽に送信できるツールだからこそ、テキストの選び方には手紙以上の繊細さが求められます。画面を開いた瞬間に相手へ違和感や不快感を与えないよう、以下の決定的なマナーを把握しておく必要があります。
1. 句読点を使わない理由と儀礼的な背景
正式なお悔やみ状や弔電と同様に、LINEのメッセージでも「、」や「。」といった句読点をあえて打たずに改行で整える書き方が推奨されます。句読点を使わない理由には2つの文化的背景があります。1つは、句読点が「文を区切る・止める」役割を持つことから、「葬儀や法要が滞りなく流れるように」「不幸がこれ以上続かないように」という祈りを込める縁起担ぎの側面です。もう1つは、古来の毛筆文化において句読点を用いなかった格式を踏襲している点にあります。親しい友人であれば過度に神経質になる必要はありませんが、目上の人や改まった相手へ送る際は、句読点の代わりにスペースや適度な改行を用いると、礼節をわきまえた端正な印象を与えられます。
2. 避けるべき忌み言葉一覧
無意識のうちに使ってしまいがちな「忌み言葉」は、悲しみの中にいる遺族の傷口を広げる恐れがあります。文面を作成した後は、送信ボタンを押す前に以下の表現が含まれていないか必ず点検してください。
- 重ね言葉(不幸の連続を連想させる):「重ね重ね」「ますます」「たびたび」「重々」「くれぐれも」「いよいよ」
- 直接的すぎる表現(露骨な死の描写):「死ぬ」「死亡」「急死」「自殺」「生きている頃」(→「ご逝去」「他界」「お別れ」「ご生前」へ言い換える)
- 不吉な数字・縁起の悪い語:「四(死)」「九(苦)」「再び」「終わる」「追って」
3. お悔やみLINEスタンプは原則として避ける
「合掌」や「祈り」を模したイラスト、あるいは哀悼を示す有料・無料のスタンプが広く流通しています。しかし、お悔やみLINEスタンプの使用は、どれほど親しい関係であっても原則として控えるのが賢明です。受取手によっては「弔意を絵柄ひとつで片付けられた」「不謹慎で軽く扱われた」と受け取られ、取り返しのつかない感情の摩擦を生むリスクがあります。気持ちを伝える手段は、装飾を排した誠実なテキストのみに絞るのが安全な選択です。
4. 「ご愁傷様です」の適切な使い方
口頭での挨拶として一般的な「ご愁傷様です」ですが、テキスト形式のメッセージでは使い分けに注意が必要です。親しい間柄で「このたびは本当にご愁傷様です」と用いる分には問題ありませんが、ビジネス関係や目上の相手に対しては、より改まった「心からお悔やみ申し上げます」「哀悼の意を表します」といった表現を選ぶのが適切です。相手との距離感に合わせた言葉の重みを選択してください。