言葉の選定において、最も警戒すべきは「字面の格好良さ」と「実際の語義・文化的コンテクスト」の解離です。ネット上の簡易まとめサイトでは、ネガティブな含意を持つ単語が無批判に推奨されているケースが少なくありません。
「かっこいい」と誤認されやすいダーク単語の真実
例えば、音のキレが良いからという理由でプロジェクト名に選ばれがちな以下の単語には注意が必要です。
- Reckless(レクレス):映画などで「恐れ知らず」の意味で格好良く使われることがありますが、本質は「無謀な、向こう見ずで配慮に欠ける」という非難の言葉です。コーポレート関連で用いると致命的なイメージダウンを招きます。
- Ruthless(ルースレス):「情け容赦ない、冷酷な」という意味を持ちます。ヴィランのネーミングには最適ですが、製品名やチーム名につけると「非人道的な姿勢」を連想させます。
- Rancid(ランシド):パンクロックのバンド名として有名ですが、本来の意味は「油などが腐敗して嫌な臭いがする」です。日常的なネーミングには全く適しません。
和製英語の浸透による認識のズレ
日本国内で流通しているカタカナ語と、本来の英語の機能差にも配慮が求められます。
たとえば住宅の改修を指して「リフォーム(Reform)」と呼びますが、英語の「Reform」は政治機構や法制度を抜本的に改善する「社会改革」を指すのが一般的です。建物の物理的な修繕や改装は「Remodel」や「Renovate」を用いるのが正当です。国際的なコミュニケーションや英語圏向けの発信では、こうした語感のズレが思わぬ誤解を生みます。