エスプレッソマシンで抽出する濃厚なボタニカルティーや、炭酸で割ったコールドブリュー煎茶。いま、カフェ・喫茶店業界において最も熱い視線を浴びているのが日本茶のモダンなアプローチだ。かつて家庭の急須で飲まれていたお茶は、バリスタならぬ「茶師」の手によって、洗練された嗜好品へと昇華を遂げた。
これは突発的なブームではない。千利休が大成させた茶道の精神――無駄を削ぎ落とし、一期一会の対話を重んじる哲学――が、現代人のメンタルヘルスやマインドフルネスの需要と完璧に共鳴した結果だ。形式張った作法を強いられることなく、純粋に味覚と精神の解放を味わえる場所として、ティーハウスは確固たる地位を築いている。