就活生や転職希望者の間では、「日々是好日」を座右の銘にすることに対して賛否両論のリアルな声が存在します。大手人材コンサルティング会社の調査レポートや、大手就活掲示板・SNSにおける人事担当者の本音を分析すると、明確な選考評価の分岐点が浮かび上がってきます。
大手金融機関で新卒採用を統括する人事部長の手記やインタビューからは、次のような厳しい証言が寄せられています。
「面接で『座右の銘は日々是好日です。毎日明るく笑顔で過ごすことを大切にしています』と答える学生に出会うと、正直なところ『自己啓発本をかじっただけのお花畑思考ではないか』と警戒します。厳しいノルマや予測不能なトラブルに直面したとき、現実逃避してしまいそうな脆さを感じるからです」(メガバンク採用担当・40代男性)
一方で、同じ「日々是好日」を挙げながらも、面接官から極めて高い評価を獲得して難関企業の内定を勝ち取る層も確実に存在します。彼らの語り口には明確な共通点があります。
「内定を出したある学生は、『部活動で大怪我を負い、レギュラーから外れた不条理な日々に直面したとき、日々是好日という言葉に出会った。不遇な一日を悔やむのではなく、サポートや戦術分析という新しい役割を見出して全力でやり切った』と語ってくれました。この言葉をただのモットーではなく、困難を乗り越えるための『心の防衛線(レジリエンス)』として体現できているかどうかが合否を分けます」(総合商社人事マネージャー・30代女性)
つまり、採用担当者が求めているのは「耳触りの良い四字熟語」ではなく、予期せぬ困難や変化を受け止めて自律的に前進できる「ストレスコーピング力」と「行動の再現性」です。「日々是好日」はその語源の深さゆえに、解釈の浅い人間と深い思考を持つ人間をスクリーニングする格好のリトマス試験紙として機能しているのです。