いまやタトゥーや刺青は、単なるカルチャーの枠組みを越えて身体変容・ボディアート産業という巨大な経済圏を形成している。同時に、その裏側で拡大しているのが公衆衛生・医療産業との連携だ。美容クリニックにおけるピコレーザーを用いた除去治療の需要は高止まりしており、「消すためのコスト」は彫る際の何倍にも達する。
色素に含まれる重金属の安全基準や、アレルギー反応への即時対応など、医療機関との連携協定を結ぶスタジオも登場し始めた。表現の自由を担保するためには、施術者の芸術性だけでなく、高度な衛生リテラシーと医療的な知見の裏付けが不可欠な時代に入っている。