フロアを埋め尽くす観客のダイナミズムも、彼らのステージを形作る不可欠な要素である。イントロの一音目が鳴った瞬間に発生する巨大なうねりと、サビで巻き起こる会場全体の大合唱は、他では決して味わえない一体感を生み出す。アリーナ前方のモッシュエリアでは激しい熱気が渦巻く一方で、スタンド席や後方エリアの観客もまた、それぞれのスタイルで全身で音を受け止めている。
安全面に配慮しつつも、ロック本来の持つ衝動や自由な雰囲気が守られている点も印象的だ。お互いをリスペクトし合い、転んだ者がいればすぐに手を差し伸べる観客同士のマナーと連帯感は、長年にわたり築き上げられてきた伝統的なカルチャーでもある。