こうした医療現場の長年の課題に対し、2026年現在、画期的な技術が実用化されつつある。その筆頭が、国内のスタートアップと大学病院が共同開発した「スマートナノパッチ」だ。これは針を抜く直前に皮膚表面に貼るだけで、局所的な麻酔成分と超高速の凝固因子を微細なチャネルから瞬時に注入するデバイスである。
この技術により、針が抜ける瞬間の摩擦と痛みをほぼゼロに抑えることが可能になった。同時に、針が抜けた瞬間に傷口を塞ぐゲルが形成されるため、従来の圧迫止血の時間を最大で8割削減することに成功している。医療従事者の手間を省くだけでなく、患者が感じる「抜かれる恐怖」を根本から取り除くイノベーションとして、導入する医療機関が急増している。