池田市立五月山動物園を語る上で欠かせないのが、世界最高齢の飼育ウォンバットとしてギネス世界記録に認定された「ワイン」(オス)の存在です。オーストラリア原産のヒメウォンバットの平均寿命が飼育下で約20〜25年とされる中、ワインは35歳を超える長寿を達成しており、国内外の動物園関係者や研究者からも驚異的な事例として注視されています。
飼育員の手厚いヘルスケアと温度管理、個体の体調に合わせた細やかな給餌メニューによって、ワインは現在も穏やかな日々を過ごしています。日中は暖かい寝床で休息をとることが多いものの、夕方の食事時や気候の安定した時間帯には、特徴的なずんぐりとした体型で運動場をとことこ歩く愛らしい姿が確認されています。
園内にはワインのほかにも、人懐っこい性格で知られる「フク」や、活発に動き回る「コウ」「ユキ」といった仲間たちが暮らしており、それぞれの運動場で異なる個性を発揮しています。近年導入された高画質ライブカメラによる24時間配信は、遠方のファンにもリアルタイムの生態を届けており、現地を訪れる前の行動パターンの把握にも役立っています。
老朽化した獣舎の環境改善を目指して実施されたクラウドファンディングでは、目標額を大幅に超える支援が集まりました。この資金をもとに進められたリニューアル工事によって、ウォンバットたちのストレスを軽減する土壌改善やバリアフリーな観察通路の整備が順次完了し、より自然に近い環境で生き生きとした姿を観察できるようになっています。