優良物件とは何か?好条件で安い部屋の裏側とプロが教える見極め術

優良物件とは何か?好条件で安い部屋の裏側とプロが教える見極め術

優良物件とは何か?好条件で安い部屋の裏側とプロが教える見極め術の詳細について、専門知識を詳しくお届けします。

初期費用を抑えたい入居者にとって「敷金・礼金ゼロ」のいわゆるゼロゼロ物件は魅力的に映ります。しかし、敷金礼金ゼロの落とし穴を知らずに飛び込むと、退去時に手痛い出費を強いられる構造になっています。

敷金とは本来、家賃滞納や原状回復費用の担保として預ける預託金です。それがゼロであるということは、退去時に「クリーニング費用一律55,000円」「エアコン内部洗浄代22,000円」「畳表替え費用」といった名目で、相場よりも高額な費用が特約条項によって確定請求される仕組みになっているケースが大半を占めます。さらに「1年以内の短期解約時は賃料2ヶ月分、2年以内は1ヶ月分の違約金を支払う」といった短期解約違約金条項が設定されていることも多く、身動きが取れなくなるリスクを孕んでいます。

もう一つの重大な懸念事項が心理的瑕疵、すなわち「事故物件」の存在です。2021年10月に国土交通省が策定したガイドラインにより、他殺・自死・特殊清掃を伴う孤立死などが発生した場合、賃貸借契約では事案の発生から概ね3年間の告知義務が明確化されました。しかし、告知義務期間を免れるために「事案発生後に一度親族やアルバイトを名義人として短期間住まわせ、告知義務を消滅させようとする」悪質な脱法スキームが一部で取り沙汰された歴史もあります。

事故物件の見抜き方として有効なのは、民間告知サイトでの過去ログ照合に加え、契約形態の確認です。「周辺相場より明らかに安いのに定期借家契約1年(再契約不可)」と設定されている場合、業者が1人目の入居者を安価で住まわせて告知義務のロンダリングを図っている疑いが生じます。また、内見時に「一部の床や壁だけが不自然に新調されている」「部屋の一角に強い芳香剤の臭いが漂っている」といった違和感を察知した場合は、管理会社に対して「過去の告知事項に該当する履歴はないか」を書面および重要事項説明の場で明確に問い質す姿勢が求められます。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。