退職金の支給額を決定づける最大の変数は、「企業規模」と「最終学歴」です。厚生労働省の「就労条件総合調査」や中央労働委員会、経団連の集計データを精緻に分析すると、定年を迎えた会社員が受け取る退職一時金には歴然とした階層構造が浮き彫りになります。
資本金や従業員数が潤沢なプライム市場上場クラスの大企業において、大学を卒業して定年(勤続35〜38年程度)まで勤め上げた場合の定年退職金平均額は約2,200万〜2,400万円台を推移しています。これに対し、従業員300人未満の中小企業における大卒定年退職金の相場は約1,000万〜1,200万円にとどまり、同じ年月を会社に捧げたとしても受取額には1,000万円以上の開きが生じるのが現実です。
学歴別の観点では、大卒と高卒の生涯支給額の差も無視できません。高卒で定年まで勤務した場合の相場は大企業で約1,800万〜2,000万円、中小企業では約800万〜1,000万円となっています。高卒者は勤続年数が大卒より4年長くなるものの、基本給のベースや役職ピッチの設計差が最終的な退職金計算式に色濃く反映されます。