なぜ地方の杉林に囲まれた住民よりも、都会に住む人の方が花粉症に悩まされるのか。この矛盾も、都市環境特有の要因で説明がつく。アスファルトに落ちた花粉は土に吸収されず、風が吹くたびに何度も宙を舞い、粉々に砕ける。細分化された花粉は呼吸器の奥深くまで侵入しやすくなり、凶暴性を増す。
さらに、ディーゼル排気微粒子(DEP)などの大気汚染物質が花粉と結合することで、アレルギー反応を数十倍に増幅させることが分かっている。コンクリートジャングルに暮らすこと自体が、知らず知らずのうちに免疫系を極限まで刺激し続けているのだ。