テレビアニメ終了後、ファンの熱烈な要望に応えて2011年から講談社ラノベ文庫で刊行されたのが、公式続編小説『おジャ魔女どれみ16』から『おジャ魔女どれみ20's』へと至るシリーズです。原作・栗山緑、キャラクター原案・馬越嘉彦というオリジナル布陣が手掛けたこのシリーズでは、高校生から社会人へと成長していく彼女たちのリアルな進路と恋愛模様が描かれ、読者に大きな衝撃を与えました。
主人公・春風どれみは、周囲の仲間たちが明確な夢に向かって進路を決めていくなかで、自身の進路に激しく葛藤します。美空高校へ進学した彼女は、恩師である関先生の背中を追うように教育学部への進学を決意。大学を卒業して教員免許を取得し、母校である美空第一小学校の臨時採用教員として教壇に立つことになります。かつて「世界一不幸な美少女」と自称していた少女が、悩める子どもたちを温かく支える教育者へと成長する姿は、まさにシリーズの集大成と言えます。
そしてファンの最大の関心事であった小竹哲平との恋の行方にも明確な結論が出されました。小竹は高校・大学とバスケットボールに打ち込み、早稲田大学を経てプロバスケットボール選手(Bリーグ)の道を切り拓きます。小竹は全日本選手権の決勝戦という大舞台の直前、どれみに向けて「ずっとお前が好きだった。俺が日本一になったら結婚してくれ」と公開告白。長い幼馴染の関係に終止符を打ち、正式な恋人同士、そして将来を誓い合うパートナーとなる結末を迎えました。
他のメンバーたちの進路も、決してファンタジーに逃げない泥臭い現実が描かれています。
- 藤原はづき:名門カレン女学院高校から音大へ進学。過干渉だった母の敷いたレールを飛び越え、プロのバイオリニストを目指してフランス・パリへ留学。矢田まさるとの遠距離恋愛を貫く。
- 妹尾あいこ:大阪で両親と同居しながら陸上競技で全国大会を目指すも、アキレス腱断裂という選手生命を絶たれる大怪我に見舞われる。絶望を乗り越え、スポーツトレーナー・理学療法士を目指して大学へ進学。
- 瀬川おんぷ:子役から本格的な女優への脱皮を図るも、母の脳梗塞や所属事務所の倒産という過酷な試練を経験。高校を休学・中退して単身ニューヨークへ演技留学に渡り、ブロードウェイの舞台オーディションに挑戦。
- 飛鳥ももこ:洋菓子職人としての腕を磨くため、高校卒業後は本場フランス・パリの製菓学校へ留学。パティシエとしての独立を目指す。
- ハナちゃん:魔女界の次期女王としての重責を担いつつ、人間界の高校生活をどれみたちと共に経験。妹の春風ぽっぷも美空第一小学校の教員を目指す道を選ぶ。