まず多くのリスナーが直面する疑問がタイトルの読み方です。Mrs. GREEN APPLEの「我逢人」は「がほうじん」と読みます。日常会話では馴染みの薄いこの言葉は、曹洞宗の開祖・道元禅師が残した仏教・禅の教えに由来する由緒ある禅語です。
禅における「我逢人」とは、「我が人と逢うことによって、すべての教えや世界が始まる」という意味を持ちます。人間は決して孤立して生きているのではなく、他者との邂逅(かいこう)によって自己を見出し、磨かれ、世界を認識していくという人間存在の根本を説いた言葉です。
音楽雑誌のインタビューやオフィシャルライナーノーツにおいて、作詞作曲を手掛けたフロントマン・大森元貴は、10代半ばの多感な時期に出逢ったこの言葉の響きと意味に強い感銘を受け、楽曲の骨子に据えたことを明かしています。単なる言葉遊びではなく、「人と出逢うことの歓びと残酷さ」の双方を引き受ける覚悟が、この重厚なタイトルに込められています。