映画のヒット後、彼女が選んだ道は芸能界での華々しい生活ではなく、故郷での静かな地に足のついた生活だった。白井のり子氏は熊本市役所に採用され、公務員として長年にわたり地域社会を支える業務に従事した。障害を持つ当事者としての視点を生かしつつ、決して特別扱いを望まず、市民に寄り添う一職員として誠実にキャリアを重ねた。
熊本市役所を定年退職した彼女は、2026年現在、新たなステージで活発な活動を続けている。子育てを終えた一人の人間として、また社会の激動を見つめてきた一人の女性として、全国各地の講演会や市民フォーラムから引っ張りだこの日々を送っているのだ。「腕がないことは私の個性であり、不便ではあっても不幸ではない」というメッセージは、多様性が叫ばれる現代社会において、より深い説得力を持って人々の胸に届く。独占取材に対して見せた笑顔は、公務員生活を全うした達成感と、今なお社会へ問いかけを続ける表現者としてのしなやかな力強さに満ちていた。