かつてはアイドルのトレードマークとしてもてはやされた八重歯だが、海外に目を向けると評価は180度異なる。欧米では「吸血鬼の歯(Vampire teeth)」などと呼ばれ、ドラキュラや不完全さを連想させるため、子どものうちに矯正するのが一般的だ。国際的なビジネスの現場や留学先で、歯並びが第一印象を左右する場面は珍しくない。
近年はNHK健康チャンネルなどの医療メディアでも歯並びと全身疾患の関連が頻繁に特集され、日本国内でも「八重歯=個性的な可愛さ」から「整えるべき機能不全」へと価値観が大きくシフトしている。審美歯科への相談件数が増加の一途をたどっている背景には、グローバルな美意識の浸透だけでなく、生涯にわたって自分の歯を残したいという健康志向の高まりがある。