問題の核心にあるのは、植物油(特に種子油)に豊富に含まれるオメガ6脂肪酸の「リノール酸」だ。リノール酸自体は体に不可欠な必須脂肪酸だが、問題はその「摂取量とバランス」にある。
狩猟採集時代、人類のオメガ6とオメガ3の摂取比率は概ね「1:1」から「2:1」程度であったとされる。しかし、現代日本人の食事ではこのバランスが崩壊し、「10:1」から極端なケースでは「20:1」にまで偏っている。体内で過剰となったオメガ6はプロスタグランジンやロイコトリエンといった炎症を引き起こす化学物質へと代謝され、全身の血管や組織で静かなボヤ、すなわち「慢性炎症」を燃え上がらせる。
さらに、リノール酸は分子構造内に二重結合を複数持つため、極めて酸化しやすい。酸化したリノール酸(OALL)は細胞膜の主要成分である脂質を損傷させ、ミトコンドリアの機能を低下させる原因となることが、近年の細胞生化学研究によって明らかになっている。