なぜインクが残っているのに書けなくなるのか。その真相を探ると、主に二つの物理現象に行き着く。それが「空気噛み・溶剤蒸発」だ。
「空気噛み」とは、ペン先から内部へ気泡が入り込み、インクの流れをブロックしてしまう現象を指す。上向きでの筆記や、ペンを落とした際の強い衝撃が引き金となることが多い。一度ペン先の微小な隙間から空気が入り込むと、インクの連続性が途切れて流出が止まってしまう。
一方の「溶剤蒸発」は、長期間使わずに放置されたペンや、キャップをし忘れたペンで発生する。ペン先の超極小ボール周囲に付着した溶剤成分が空気中の酸素や微乾燥に晒され、揮発してカチカチに固まる。この二重の障害が、不通トラブルの根幹に存在する。