全国の教育委員会や学校現場において、体育座り廃止理由として挙げられる要因は大きく2つに大別されます。1つは女子生徒のプライバシーと尊厳を守る女子生徒体育座り配慮の観点、そしてもう1つは長時間の同一姿勢による健康リスクです。
長年にわたり、体育座りは「狭い面積に大人数を整列させやすい」「手足が固定され私語や立ち歩きを防ぎやすい」という学校管理側の都合で重宝されてきました。しかし、文部科学省の指導要領改訂や人権意識の高まりを受け、生徒を管理するための画一的な姿勢強制は見直しを迫られています。特に集会中、視線を気にして極度の緊張を強いられる状況は、心理的安全性の観点からも看過できない問題と位置づけられるようになりました。
さらに見逃せないのが、体育座り身体への影響です。理学療法士や整形外科医の指摘によると、膝を抱え込んで背中を丸める姿勢は、坐骨ではなく尾骨付近に体重がかかり、骨盤の後傾と腰椎への過度な圧迫を引き起こします。成長期にある生徒の内臓圧迫や腰痛の引き金になることが医学的データでも示されており、下着問題と健康被害の双方から、正座、あぐら、あるいは椅子の導入へと舵を切る学校が急増しています。