JFKが他球団の強打者たちを完全に手玉に取れた最大の理由は、3人がそれぞれ全く異なるタイプの「絶対的な決め球」を持っていた点にあります。
7回を担当したジェフ・ウィリアムスは、独特のスリークォーター気味のフォームからクロスステップで投げ込む左腕でした。打者の手元で鋭く曲がり落ちる高速スライダーは「消える」と称され、特に左打者にとっては恐怖の対象以外の何物でもありませんでした。
8回に君臨した藤川球児は、打者の手元で沈むどころかホップするように浮き上がる「火の玉ストレート」で球界を震撼させました。球速表示以上に伸びる直球は、分かっていてもバットが空を切る異次元の軌道を描き、落差の鋭いフォークボールとのコンビネーションで三振の山を築きました。
そして9回のマウンドに上がった守護神・久保田智之は、唸りを上げる150km/h超の重い剛速球と鋭いカットボール、フォークを武器とする本格派右腕でした。連投をものともしない驚異的なタフネスさを誇り、走者を背負っても要所を力でねじ伏せる圧倒的な気迫でゲームを締めくくりました。
左の変則剛腕から、ホップする浮き上がる直球、そして重厚なパワーピッチャーへ。わずか3イニングの間に全く異なる超一流の球筋に対応することは、プロのトップ打者たちにとっても至難の業でした。