ストリーミングサービスが音楽聴取のデファクトスタンダードとなった現在、SpotifyやApple Musicといったプラットフォームに対する二人のアプローチには明確な個性と哲学が表れている。まりやのカタログがグローバルに配信され、世界各地の若い世代へダイレクトに届く一方で、達郎は自身のカタログのサブスクリプション解禁に対して極めて慎重なスタンスを維持してきた。
この姿勢は単なる懐古主義ではない。アルバムというひとつの統一されたフォーマット、音圧やダイナミクスレンジの忠実な再現、そして音楽という創作物に対する正当な対価への問いかけである。日本の音楽産業がデジタルシフトの波に揉まれるなかでも、安易な潮流に迎合せず、自らの美学を貫く達郎の選択は、表現者としての誇りそのものと言える。