堂島川と土佐堀川に挟まれた中之島は、いまや日本屈指のアートクラスターとして世界的な注目を集めている。その核となるのが、黒いキューブ状の圧倒的な外観で街のアイコンとなった大阪中之島美術館だ。巨大な吹き抜け空間「パサージュ」を行き交う人々の姿は、アートが日常の動線に溶け込んでいる様を如実に物語る。ここでは国内外の先鋭的な現代美術から近現代デザインまで、実験精神に満ちた大型企画が絶え間なく打ち出されている。
そのすぐ隣に鎮座するのが、独立行政法人国立美術館が運営する国立国際美術館だ。建築家シーザー・ペリが設計した竹の生命力を象徴するステンレスとガラスのエントランスから地下へと降りる構造は、日常から深層意識へと潜り込むような感覚を演出する。地下展示室特有の研ぎ澄まされた静寂のなかで、世界水準の現代アートと向き合う時間は格別だ。隣接する2館を梯子するだけで、20世紀以降の視覚表現の変遷を一気に駆け抜けることができる。