数値上のデータだけでなく、現地の目視確認や定点映像からも奥多摩ダムの現在の状況を把握することができます。東京都水道局や国土交通省が設置している小河内ダムライブカメラは、ダム堤体、余水吐(洪水吐)、奥多摩湖畔の様子を24時間体制で配信しています。
奥多摩湖の名物として知られる「ドラム缶橋(麦山浮橋・留浦浮橋)」は、現地住民や観光客にとって水位のバロメーターです。水位が極端に低下すると橋が湖底に接触して通行止めとなり、逆に満水近くになると浮橋の傾斜がフラットになります。SNS上では「浮橋が通行止めになった=渇水危機か」と話題になることがありますが、これは安全管理基準に基づく定期的な措置である場合も多く、冷静な見極めが求められます。
さらに重要なのは、現地周辺の多摩川水系雨量データです。奥多摩山系(雲取山・大菩薩峠周辺)に降る雨は、約260平方キロメートルに及ぶ広大な集水域を通じて奥多摩湖へ流れ込みます。現地で強い降雨がなくても、山間部の上流でまとまった雨が降れば、数時間から半日遅れで流入量が急増します。ライブカメラ映像で湖面の色が濁り、流木止めフェンス付近に浮遊物が集まり始めている局面は、上流からの豊かな水がダムへ補給されているサインです。