時計の針を少し巻き戻してみよう。2010年代半ば、アパレル・ファッション業界において「量産型女子」というフレーズは、没個性を揶揄するスラングとして扱われることが多かった。淡いピンクや黒を基調としたフリル、厚底ローファー、リボンで束ねたハーフツインテール。誰もが同じに見えるという外野の批判をよそに、当事者たちはそのスタイルを驚くべきスピードで磨き上げていった。
彼女たちにとって、その装いは単なるトレンドの追従ではなかった。推し活の現場で仲間と瞬時に共鳴し、日常のしがらみから解放されるための「戦闘服」だったのだ。現在では、メジャーなブランドからインディーズレーベルまでがこぞってこのスタイルを再解釈したコレクションを展開。サブカルチャーの枠を完全に飛び越え、洗練された一つの王道ジャンルとして確立されている。