櫻井海音のドラマーとしてのキャリアは、決してタレントの余技などではありません。中学生の頃から本格的にドラムを叩き始め、名門校の軽音楽部で基礎を叩き込んだ彼は、高校生バンド日本一を決める国内最高峰のコンテスト「マイナビ未確認フェスティバル2019」において、前身となるサポート演奏で出場し、全国3,101組の中からファイナリストに選出された実績を持ちます。
インナージャーニー結成後、YouTubeで公開された演奏動画やライブ映像では、音楽関係者やプロドラマーから極めて高い評価を獲得しました。彼のプレイスタイルには明確な特徴があります。
第一に、「歌のメロディと歌詞を邪魔しない引き算の美学」です。10代〜20代前半のドラマーは得てして手数の多さや派手なフィルインで自己顕示欲を示しがちですが、彼のドラミングは驚くほどタイトで、ボーカルのブレスや言葉のニュアンスに寄り添った繊細なダイナミクスを操ります。ジェフ・ポーカロやスティーヴ・ガッドといった往年のスタジオレジェンドを彷彿とさせる、しなやかなハイハットワークと重厚なスネアのバックビートは「本当に20代前半のビートなのか」と耳目を集めました。
第二に、正確無比なタイム感です。インナージャーニーの名曲「クリームソーダ」や「グッバイ来世でまた会おう」を聴くと、クリック(メトロノーム)に過度に縛られない心地よい揺らぎを持ちながら、楽曲の土台を決して崩さない強靭なグルーヴが確認できます。セッション動画がSNSで拡散された際にも、ドラム経験者から「手首の脱力とスナップの使い方が完璧」「バスドラムの踏み込みの安定感が異常」と絶賛のコメントが殺到しました。