退職後にどのような形で住民税を支払うことになるかは、「何月に会社を辞めたか」という退職タイミングによって法律上、明確に2つのパターンへ分かれます。この仕組みを事前に把握していないと、最後の給料の手取りがゼロになったり、逆に退職数ヶ月後に想定外の納付書が一気に送られてきたりして生活設計が崩壊します。
地方税法および各自治体の規定に基づき、退職時期に応じた徴収ルールは次のように運用されています。
特に注意が必要なのは、1月から5月までの間に退職する場合です。この期間に退職すると、地方税法の規定により、5月分までに納めるはずだった残額が、退職月の給料や退職金から義務的に一括徴収されます。例えば、毎月2万5,000円天引きされていた人が1月末に退職した場合、2月〜5月分にあたる合計10万円が1月支給の給与から一気に差し引かれます。給与額によっては手取りが数万円に落ち込んだり、社会保険料の控除と合算されて手取りがマイナスとなり、逆に会社へ現金を振り込まなければならないトラブルも報告されています。
一方、6月から12月の間に退職した場合は、原則として退職月の翌月以降の残額が普通徴収(納付書払い)に切り替わります。退職後に会社から役所へ「給与所得者異動届出書」が提出され、自治体側で税額の再計算と納付書の発行処理が行われるため、退職者の自宅に納付書が届くのは退職後おおむね1〜2ヶ月後となります。「退職してしばらく何も届かないから大丈夫」と油断していると、ある日突然、まとまった金額の納付書が束になってポストに投函されることになります。