上用饅頭は祝い事のイメージが強烈ですが、実は弔事(葬儀や法要)においても最高位の引き出物として定着しています。失敗を防ぐためには、慶事弔事のマナーにおける色使いと意匠のルールを完璧に把握しておく必要があります。
慶事では、言うまでもなく「紅白」が基本です。白の饅頭にはこしあんや粒あん、紅色の饅頭には白あんやこしあんを包み、表面に「寿」や吉祥文様の焼き印を押すのが一般的です。結婚式や長寿祝い、創立記念など、未来への発展を祝う場面で用いられます。
一方で弔事の場合は、地域や宗派によって外観が明確に変化します。代表的な仕立てが以下の3種類です。
- 黄白(こうはく)饅頭:主に関西地方で広く用いられる法要の定番。黄色と白色の組み合わせで、仏事の格式を保ちます。
- 青白(緑白)饅頭:主に関東地方や中部地方で見られる、緑(蓬)と白の組み合わせ。落ち着いた哀悼の意を表します。
- しのぶ饅頭(茶饅頭):皮に黒砂糖を練り込み、表面に菊や蓮の焼き印、または白いすり蜜で波紋などを描いたもの。宗派を問わず全国的な法事の席で重宝されます。
配る際の作法として、お祝い事では割り切れない「奇数(1箱に紅白1対の2個に見えますが、2個で1組の『一対』と数える)」を意識し、水引は用途に合わせて「結び切り(二度と繰り返さない婚礼や快気祝い、弔事)」と「蝶結び(何度あってもめでたい出産や長寿祝い)」を厳格に指定しなければなりません。