メガヒットを記録したトップアイドルグループが解散すると、ネット上では往々にして「解散バブルの終焉」や「失速」といった無責任な言説が飛び交いがちです。チッチに対しても、テレビのゴールデン番組への露出頻度だけを切り取って「以前ほど見かけなくなった」と論じる向きが一部に存在します。
しかし、これは現代のエンターテインメント産業における構造変化を見落とした典型的な誤解です。現在のチッチの戦略は、瞬間的な大量消費を伴うテレビバラエティへの過度な露出ではなく、「表現者としての持続可能性(サステナビリティ)」に重きを置いています。
具体的には以下の3つの領域において、極めて自律的かつ強固なカルチャー基盤を構築しています。
- カルチャー特化型の発信力:無類のカレー好きとして知られ、レシピ開発やフードフェスへの参画、専門誌での連載を長年継続。単なるタレントの趣味を超えた専門知識が業界内で高く評価されている。
- フィルムカメラとアート表現:自身で撮影した写真の個展や写真集のプロデュースを手がけ、視覚芸術の分野でも独自の作家性を発揮。
- 作詞・文筆を通じた人間性の開示:他者から与えられた歌を歌うだけでなく、CENTの楽曲を通じて自らの言葉でメッセージを紡ぐシンガーソングライターとしての自立。
このように、マス媒体の使い捨て消費から距離を置き、自身の偏愛するカルチャーをマネタイズかつブランディングへと昇華させる戦略は、表現者として最も手堅く、かつ息の長いキャリア設計であると言えます。