言葉の本来の骨格を理解するには、江戸から明治期にかけて使われていた日本語の原風景を辿る必要があります。「気が置けない」の母体となっているのは、「気を置く」という古くからの慣用句です。 「気を置く」とは、相手との間に心理的な壁を置き、余計な気配りや遠慮、配慮を巡らせる状態を指します。他者に対して「一歩引いて警戒する」「心に垣根を設ける」というニュアンスを含んだ表現でした。 そこに打消しの助動詞「ない」が接続することで誕生したのが「気が置けない」です。つまり、「相手との間に余計な気遣いや隔たりを置く必要が一切ない」、転じて「腹を割って何でも話せる、飾らない関係性」を表すポジティブな言葉として定着しました。文豪・夏目漱石の書簡や近代文学のテキストにおいても、心を通わせた親友や同志への最上級の親愛の情を伝える表現として用いられています。
7割が誤用!「気が置けない」の真の意味と正しい使い方を徹底解説
•
•
1分で読める