他者を踏みにじった当人が、SNSで充実した日常を誇示していたり、昇進や結婚など順風満帆に見える生活を送っていたりすることは珍しくありません。この姿を目の当たりにした被害者は、さらなる絶望感に苛まれます。しかし、精神医学や臨床心理学の見地から内面を詳細に観察すると、全く異なる実態が浮かび上がってきます。
人を傷つけて平気な人の心理を構成しているのは、共感性の欠如と極端な自己正当化です。心理学において「ダーク・トライアド」(自己愛傾向、マキャベリアニズム、サイコパシー傾向)と呼ばれる特性を持つ人々は、他者の痛みを感じ取るミラーニューロンの働きが著しく鈍いことが判明しています。彼らは自らの非を認めると自我が崩壊する恐怖を抱えているため、無意識に「悪かったのは傷つけられた側だ」と認知を歪め、自分を守るための防衛機制を働かせています。
つまり、彼らがノーダメージに見えるのは「罪悪感に耐える強さがあるから」ではなく、「罪悪感を認識するセンサーそのものが麻痺しているから」にほかなりません。その平然とした態度は虚勢と過剰適応の産物であり、内面には他者を信じられない強い猜疑心と、常に誰かに見捨てられるのではないかという慢性的な不安が渦巻いています。