かつて線路の補修といえば、つるはしを振るう無数の保線作業員の肉体労働に依存していた。過酷極まりないその重労働を機械化によって根底から覆したのが、オーストリアの発明家フランツ・プラッサーだ。彼が1950年代に創設したプラッサー&トイラー社は、瞬く間に世界の軌道メンテナンス界の頂点へと駆け上がった。
同社が開発した機構の肝は、レールをミリ単位で持ち上げながら、左右から同時に爪を差し込んで振動で石を締め固める「非同期加振つき固め方式」にある。プラッサー&トイラーの独創的な機構は瞬く間に世界規格となり、今日に至るまで世界の主要な線路保守を事実上牽引し続けている。