共同通信社を理解する上で最も重要なのは、読者に直接新聞を売る会社ではなく、メディア各社にニュース素材を提供する「情報の卸問屋」であるという点です。組織形態は株式会社ではなく「一般社団法人」であり、全国の地方新聞社やNHKなどが社員(加盟社)となって共同で運営しています。
日本全国の地方紙は、自前で世界各地や東京の全省庁に記者クラブ詰めの取材網を配備することは財政的に不可能です。そこで、共同通信社が中央省庁、政治、国際、社会事件、経済などの取材を一括して担い、全国の配信先新聞社へ記事・写真・グラフィックデータをリアルタイムで送り届ける仕組み(ネットワーク)が構築されました。
配信された原稿は、各加盟社のデスクが自紙の紙面レイアウトや方針に合わせて取捨選択し、見出しを付けて掲載されます。地方紙を開くと県外のニュースがどの新聞でも似通っているのは、この共同通信社の配信原稿をベースに紙面が制作されているためです。