広告業界や芸能界において、ポッキーのCMはカルピスやゼクシィと並び「出演すれば確実に売れる登竜門」として知られています。しかし、なぜこれほどまでに高い確率で出演女優たちが大成するのでしょうか。
その背景には、江崎グリコとクリエイティブチームが貫いてきた独自のキャスティング哲学があります。ポッキーのCMオーディションや選考において最も重視されるのは、完成された演技力や知名度ではありません。「飾らない素の生命力」と「見ている人を無条件で元気にさせる清潔感」です。
ポッキーという商品は、友人や家族、恋人と「シェアする喜び」を象徴するお菓子です。そのため、CMに求められるのは高嶺の花のような遠い存在ではなく、視聴者が自分の日常を投影できる等身大の魅力を持った存在です。
制作現場では、あえて予定調和を崩し、女優自身が心から楽しんでいる瞬間や感情を解放した表情を引き出す演出が施されます。何色にも染まっていない原石の女優が、カメラの前で感情をダイナミックに爆発させる――そのピュアな輝きが数十秒の映像に凝縮されるからこそ、視聴者や映画・ドラマ関係者の目に強烈に焼き付き、その後の大ブレイクへと直結していくのです。