『女子高生の無駄づかい』という作品が唯一無二の輝きを放った最大の勝因は、強烈すぎる個性を放つキャラクター造形と、それを完璧に体現した声優陣・実写俳優陣のキャスティングにありました。
本作の人間関係は、主人公トリオを基点としながら、周囲のクラスメイトや教師がそれぞれの「偏ったこだわり」で絡み合う有機的な相関図を形成しています。
アニメ版の声優一覧を見渡すと、その豪華さと演技力の高さに改めて目を見張ります。
- 田中望(バカ):CV. 赤﨑千夏 ―― 類まれなるボキャブラリーの乏しさと凄まじい奇声を完全にコントロールし、作品の推進力となった圧倒的怪演。
- 菊池茜(ヲタ):CV. 戸松遥 ―― ツッコミのキレと低音ボイス、同人BLへの執念をリアルに演じ分け、コメディリリーフとしての屋台骨を支えた。
- 鷺宮しおり(ロボ):CV. 豊崎愛生 ―― 抑揚を極限まで削ぎ落としながら、行間ににじむ田中やヲタへの深い情愛を表現した至高のローテンション芝居。
- 佐渡正樹(ワセダ):CV. 中村悠一 ―― 「女子大生派宣言」という初回開幕のトンデモ告白を重厚な低音美声で成立させた名演。
- 山本美波(ヤマイ):CV. 富田美憂 ―― 重度の中二病でありながら根は極めて純真な少女の愛らしさを見事に昇華。
- 一奏(マジメ):CV. 高橋李依 ―― 異常なまでにストイックでロボに心酔する優等生をシリアスかつコミカルに熱演。
- 百井咲久(ロリ):CV. 長縄まりあ ―― 見た目は小学生、中身は口の悪いツンデレというギャップを天性の声質で表現。
- 久條翡翠(マジョ):CV. 石見舞菜香 ―― オカルト好きで極度の人見知りという繊細なキャラクターに独自の透明感を付与。
- 染谷リリィ(リリィ):CV. 佐藤聡美 ―― 男性恐怖症かつ百合妄想の暴走を見事なテンポで快演。
さらに特筆すべきは、2020年に放送された実写ドラマ版のキャスト陣です。主演のバカ役を務めた岡田結実の捨て身の変顔演技、ヲタ役の恒松祐里の的確なリアクション、ロボ役の中村ゆりかの怜悧な美貌、ヤマイ役を演じた福本莉子の圧倒的再現度、そしてワセダ役の町田啓太が放った哀愁と狂気。いま振り返れば、映画や大河ドラマの主演級へと飛翔した若手実力派俳優たちが一堂に会していた奇跡のキャスティングであり、実写化の成功例として現在も映像関係者から高く評価されています。