ネットの評判やSNS上のリスナーの反応を検証すると、『誕生』という楽曲が単なるエンターテインメントの枠に収まらず、人生の過酷な局面における「精神的な処方箋」として受容されている実態が浮き彫りになります。
ソーシャルメディアや音楽配信サイトのレビュー欄には、出産や育児に苦悩する親たち、就職活動や仕事で挫折を味わった若者、あるいは近しい肉親を亡くした人々からの切実な体験談が数多く寄せられています。「産後うつで自分を責め続けていた夜、ラジオから流れてきた『生まれてくれてありがとう』というフレーズに号泣し、救われた」「生きている価値がないと思い詰めていた時期に、この曲のライブ映像を見て踏みとどまった」といった声は、後を絶ちません。
特に中島みゆき自身のライブ映像における歌唱は、スタジオ録音盤とは一線を画す凄まじい迫力を持っています。コンサートツアー『歌旅』で見せた、全身全霊で言葉を観客一人ひとりの胸郭に叩き込むようなパフォーマンスは、「歌う」という行為を超えて「祈りを届ける」儀式のような神聖さを帯びており、画面越しであっても視聴者の感情を激しく揺さぶり続けています。