相良刺繍を見分ける最大のポイントは、「刺繍部分に長い渡り糸がないこと」と「粒状の結び目が密集していること」の2点です。
指先で軽く触れた際、一般的な日本刺繍や機械刺繍がつるりとした滑らかな感触であるのに対し、相良刺繍は粒々とした心地よい凹凸を感じられます。また、ルーペなどで拡大して見ると、一つひとつの粒が独立した結び玉になっていることが確認できます。
近年ではコンピューターミシンによる相良風のチェーンステッチ(環縫い)も見られますが、機械刺繍は結び目の大きさが完全に均一で、裏面の糸の通り方が規則的すぎます。手仕事による本物の相良刺繍は、職人の手の加減によるわずかな粒の揺らぎがあり、それが生地全体に深い陰影と温かみをもたらしています。