1993年生まれは、学校教育の変革期に育ったことから、かつて世間から「ゆとり世代」と一括りにされ、根拠のない先入観を持たれやすい年代でもありました。ネット上では「競争を避ける世代」「打たれ弱いのではないか」といった誤ったステレオタイプが語られた時期もあります。
しかし実態はまったく逆でした。彼らが思春期を過ごした2000年代後半から2010年代は、地上波テレビの影響力変化、動画配信サービスの台頭、SNSの普及といったエンタメ産業の構造転換期です。
旧来の「事務所の力関係でスターが作られる時代」が終わり、視聴者の目がシビアになる中で台頭したため、彼らは「実力がなければ即座に淘汰される」という猛烈な危機感を人一倍強く抱いて育ちました。吉岡里帆さんが京都から夜行バスで東京のオーディションに通い続けたエピソードや、仲野太賀さんが数々の端役で泥臭く爪痕を残し続けた経緯は、まさにその象徴です。レッテルを実力で粉砕した世代こそが、この1993年組なのです。