彼女のキャリアを振り返る上で外せないのが、表現の振れ幅の広さだ。アイドル在籍時代に出演した映画『デスフォレスト 恐怖の森』で見せた鬼気迫る演技は、恐怖映画の枠組みを超えて異彩を放っていた。アイドル像のパブリックイメージを恐れず、泥臭い役柄に真っ向から飛び込む度胸。それが彼女の演技の原点だ。
やがてその才能は舞台『少女革命ウテナ』での主演など、舞台空間で爆発的な開花を見せる。2.5次元舞台の文脈において、原作キャラクターのビジュアルを完璧にトレースしつつ、一人の人間としての生々しい感情を劇場の隅々まで届ける技術は、関係者を驚嘆させた。